2011年5月28日土曜日

就業規則で「別に定める」とすると…

今日は、就業規則について…。

よく社員の就業規則に「この規則は社員に対して適用する。パートやアルバイトの労働条件は
別に定める」という規定があります。
この場合、「別に定めない」とどうなるのでしょうか?

先日、ある会社で監督署で指導されたのですが、「別で定める」と書いてあるのだから
「別で定めて」いないとおかしい、と指摘されてしまいました。

確かにその通りですね。ただ、上記のように定めていても「別で定めた」就業規則がない会社様も
多いと思います。

最近は、この部分を指摘されることが多くなりました。
他にも、定年後の再雇用については「別で定める」とか
他に委任する規定がありますので、一度、「別で定めた」ものが
きちんとあるかどうか、見直ししてみてください。

最近、よく指摘されますので、ご注意でした。

2011年5月20日金曜日

労働者かどうかの判断はむずかしい

本日の日経新聞の朝刊に「執行役員も労働者 労災不支給取り消し」という記事が出ていました。執行役員の労働者性については、私もよく相談を受けます。

一般に取締役は労働者ではないため、労災保険の適用はしません。では、執行役員はどうなのか、なのですが、これははっきりしていません。その実態から判断する、というのが実務上の扱いです。
本日の記事では、この会社の執行役員は「労働者である」と判断されました。

執行役員とは、次に示すような性格ないし特徴をもつものです。
 1.「役員」という呼称がついていても、取締役や監査役ではない。従って取締役会の構成員ではない。
 2.取締役ではないので、登記の必要も無い。役員報酬ではなく給与が支払われる。
 3.取締役会の決定に基づいて、業務の執行に専念する立場である。
 4.いわば取締役と部長職の中間のような立場で、会社業務を陣頭指揮する。

そこで、実務上よく出てくる疑問は「執行役員を労働者として扱うのか否か」ということになります。
会社によってその扱いを異にしているところですが、今回の事件のように会社は労働者としていなかったけれども、ひとたび事件が起きたがゆえに、裁判で労働者と判断される、ということがありますので、執行役員の身分をはっきりさせておくことが重要です。

はっきりさせるとは、例えば就業規則の適用の条項に
「この就業規則は、当社の社員(執行役員を含む)に適用させる」としたり、執行役員規程の中で
「執行役員には社員の就業規則を適用させる」などとしておくとよろしいかと思います。
そして、「労働契約」を結びます。

大半の会社が、自社の執行役員を「役員」として扱い、労働者として扱っていないため、その実態をよく見極めることが大切です。

ちなみに今回の事件で労働者とされた決定的なポイントが
「一般従業員時代と執行役員時代の業務実態が変わらず、一定額以上の取引では本社の決裁を仰ぐなど指揮監督を受けていた」ということですが、この「指揮監督を受けていた」という部分が労働者としての判断理由になっています。いわゆる「名ばかり執行役員」と言われているようですが、今後の会社組織上のあり方に一石を投じる事件となりました。